HOME >> 芝生の情報館 >> あなたにもできる!西洋芝の管理 >> 薬剤散布による芝生の病虫害防除
芝生を維持管理する上でどうしても避けられないトラブルが「病虫害の発生」です。
本来、芝が自然のまま健全に生育していれば病原菌に対する抵抗力も高く、容易には発病しないはずですが、芝生においては常に極端な低刈り状態にあることや踏圧を受けることなどによって、芝の体力は大幅に低下しているものと考えられます。特に寒地型西洋芝の場合には、本来、生育に不適なはずの地域(北海道や本州高冷地以外の地域)でも広く利用されていることもあって、どうしても高温期を中心に芝の体力(抵抗力)が衰え、病気にもかかりやすくなってしまいます。
また、芝生という環境は一部の昆虫にとって産卵に最適な環境となるらしく、自然の豊かな地域ではどこからともなくコガネムシなどの芝生を好む昆虫が飛来しては産卵し、孵化した幼虫が芝の根などを食害することによって芝生に被害をもたらします。
したがって、どのように万全の維持管理を行っていたとしても、早晩、病虫害の発生に見舞われる可能性は高く、日々の観察による早期発見、早期防除はもちろんですが、時には発生時期に予防的に殺菌剤や殺虫剤を散布することも必要な対策だと言えるでしょう。特に、早期発見が難しいであろう西洋芝初心者の方にこそ、こうした予防的散布は有効であると言えます。
以下に寒地型西洋芝が被害を受けやすい病虫害をご紹介いたします。
病害:葉腐病(ブラウンパッチ)、ダラースポット病、ピシウム病、赤焼病、葉枯病、さび病※1、疑似葉腐病(イエローパッチ)など薬剤を散布するために必要となる器具は以下の通りです。(写真12)
散布する薬剤を用意します。一般の園芸店で入手可能な薬剤については「園芸店で購入できる芝生用資材のご紹介」ページをご参照ください。
農薬を購入する際には、必ずラベルの記載内容をよく読んで、使用可能な芝の種類、防除できる病害虫の種類などが正しいかを確認してください。間違った農薬を使用しますと効果がないばかりか、芝生にも大きなダメージを与えることがありますので、くれぐれもご注意下さい。
ここでは一例として、水に薄めるタイプの殺菌剤(水和剤)と殺虫剤(乳剤)を同時に散布する場合の手順をご紹介いたします。
なお、殺菌剤と殺虫剤の混合散布は手間を省くには良いのですが、規定の散布水量が異なる場合が多く、また、薬剤によっては特定の剤との混合が禁止されている場合もありますので、事前に説明書を良く読んでくれぐれも不適切な散布とならないよう注意して下さい。一般に、殺菌剤は芝の茎葉に薬剤を付着させる必要があるため散布水量は少なめとなり、殺虫剤は土壌中に潜んでいる害虫に薬剤を届かせる必要があるため散布水量は多めとなる傾向があります。