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芝生の情報館

張り芝手順のご紹介
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あなたのお庭に芝生はありますか?その芝生は冬でも緑でしょうか?

また、テレビで見たゴルフ場やサッカー場の芝生が冬でも緑色であることに驚かれたことはございませんか?

「わが家の芝生もあんな風だったらなあ・・・」そう思われたことが一度でもある方には、是非一度、このページを読んでいただきたいと思います。

ここでは、そんな皆様への応援の意味を込めまして、当社の扱う西洋芝ソッド(切り芝)を使った芝生の作り方をご紹介いたします。「あなたにもできる!西洋芝の管理」のページと併せてお読みいただき、是非、「冬でも緑の芝生注)」作りにチャレンジしてみて下さい。

注)寒地型の西洋芝は寒さに強く、冬でもある程度、緑を保つ性質がありますが、寒さや乾燥が厳しい場合や肥培管理が適切でない場合など、冬期間、葉先が色落ちしたり、下葉が枯れたりすることがございます。特に冬期に何度も霜が降りる地域では多少なりとも色落ちは避けられませんので、「冬でも緑の芝生」を実現するためには夜間のシード掛けなどの防寒対策をお勧めいたします。


ソッドを使えばこのような芝生が簡単に作れます
はじめに

当社のソッドは「寒地型芝草」や「西洋芝」と呼ばれる種類の芝で、ホ−ムセンタ−等で販売されているノシバ、コウライシバといった日本芝(暖地型芝草)とは性質が大きく異なっています。葉色が美しく、冬枯れしない(冬でも緑色を保つ)ことが最大の長所です。一方、夏の蒸し暑さには弱く、維持管理に手間がかかることが難点です。したがって、芝生作りに当たっては場所の選定が大切です。できるだけ涼しい場所で、日当たりや風通し、排水の良い所を選びましょう。

それでも、関東以南にお住まいの方が西洋芝の芝生を作る場合は、無事に夏越しできるかどうか、相応のリスクを覚悟しなければなりません。ただ、春、秋の西洋芝の美しさは格別ですので、その色合いの素晴らしさに直に触れたなら、きっとそうしたリスク以上の魅力が西洋芝にはあることをご納得いただけるはずです。西洋芝に憧れるあなたには、是非とも以下にご紹介する張芝の手順と「あなたにもできる!西洋芝の管理」のページをお読みいただき、夢の実現に向けてチャレンジしていただきたいと思います。

では、芝生作りの実際を順を追ってご説明いたします。

 

注)ここでご紹介するのはご家庭の一般的な芝生についてですので、ゴルフ場のグリーンのような芝生を作る場合には当てはまらない(適切でない)内容も含んでおります。もしグリーンのような芝生を作るのであれば、使用する砂についても十分吟味していただく必要がありますし、床土の構造もよりゴルフ場のグリーンに近づけていただく必要がありますので、詳細については専門書等をご参照いただきますようお願いいたします。

1.各種の道具とソッド、川砂等を用意します

芝生を一定の厚さで切り出したものをソッド(切り芝)と言います。ロール状に丸めて出荷することが多いので、ロール芝と呼ばれることもあります。

単に芝生を切り出しただけですから、それを床土の上に並べてお張りいただくだけで、簡単に西洋芝の芝生が完成してしまいます。また、万一、芝生が傷んだ場合でも、傷んだ部分だけを簡単に張り替えることができますので、播種から芝生を作るのと違って遥かに簡単に、かつ安全に短期間で美しい芝生が作れます。

当社で生産販売しております西洋芝ソッドには3種類(ベントグラス、ビバターフ、ジョイターフ)ございます。それぞれの特徴などは当社の西洋芝ソッド販売サイト「e482(イーシバフ)」の方でご確認ください。ここではビバターフのソッドを使ってご説明します。

まずは、当社の通販サイト「e482(イーシバフ)」からソッドを購入します。当社のソッドの場合、ソッド2枚が1m2(1枚は約1.7m×0.3mで、厚さは2cm程度です。写真1)に相当します。

注)宅急便でお送りする場合は箱詰めするために折り畳んであります(写真2)。


写真1:ビバターフのソッド

写真2:箱詰めの場合は折り畳んであります

作業に使用する道具はホームセンター等で入手できる家庭園芸用のもので充分です。写真3にあるような道具(写真の左から、均し板(トンボ)、ジョレン、角スコ、竹箒)のほか、余った芝を切るためのもの(包丁、鎌など)と、芝を張った後に水やり(散水)も行いますので、散水ホースなども用意します。


写真3:作業に必要な道具

ここでは床土として砂を使用します。床土については「よくいただくご質問(FAQ)」で詳しくご説明していますので是非、そちらをご参照ください。

砂はその産地から山砂、海砂、川砂の3種類に分けられます。また、砂の粒径も種類によって様々で、よく業界では砂の粒径を基に「何ミリ砂」という表現をします。ちなみに、ここで使用している砂は2ミリ砂と呼ばれる川砂(粒径が0.25〜2.0mm位に揃っている砂、写真4)です。これはゴルフ場のグリーンにも使用される高価な川砂なのですが、ご家庭の庭などに使用する場合は、わざわざこのような高価な砂を使用する必要はないでしょう。お近くのホームセンターや建材屋さんで入手可能な砂の中から、やや粗目で粒の揃っている砂を選んでいただければ十分です。 もし既存の土に混ぜるのであれば、砂の品質についてはそれほどこだわらなくても良いでしょう。


写真4:川砂の例(2ミリ砂)

ご用意いただく砂の量ですが、後述のように、ここでは床土(とこつち)として20cmの厚さに盛ることを想定していますので、10m2の芝生を造る場合ですと、10m2×20cm=2m3の砂が必要な計算となります。しかし、実際に2m3の砂を購入しても、敷き均して締め固めますとこれよりも体積が小さくなりますし、量的には少ないものの、後述のように目土(めつち)としても使用しますので、それらの分を見積もって、少なくとも2割増くらいは用意した方が良いと思います。

また、以下の写真では川砂のみを床土に使用しておりますが、実際に川砂100%で造成しますと、排水や通気は頗る良いものの、大変乾燥しやすく肥料の保ちの悪い、大変扱いにくい床土になってしまいます。理想は芝が必要とするだけの水分や養分は保持しつつ、余分な水分は速やかに浸透、排水できる床土ですので、それに近づけるためにも、川砂に保水性や保肥力を補う効果のある土壌改良材を混合することを強くお勧めいたします。

土壌改良材には実に様々なものがありますが、当社のお勧めはピートモスやゼオライト、バーミキュライト、パーライトなどです。これらは比較的入手しやすいですし、製品の性質や効果も確かですので、それらをうまく組み合わせてできるだけ理想的な土壌となるようにします。

混入する量は何種類を使用するかにもよりますが、砂に対してトータル10〜20%(体積比)程度で十分だと思います。ピートモスは保水性や保肥力を高める効果がありますが、有機質の資材ですので、あまり多く混ぜてしまいますとかえって砂の排水性を損ねることにもなりかねません。パーライトは主に保水性を、バーミキュライトは保肥力と保水性を高める効果がありますが、比重が非常に軽いため、砂となかなか均質には混ざらないかも知れません。使用する場合は丁寧に混合してください。一方、ゼオライトは砂と似た形状で非常に馴染みやすく、保肥力アップに大変効果があるのですが、あまり園芸店では見かけません。もし入手できるようなら、ゼオライトは是非とも入れておきたい資材です。

なお、この土壌改良材については、「園芸店で購入できる芝生用資材のご紹介」のページで更に詳しくご紹介しております。是非そちらも併せてご覧ください。

注)床土(とこつち)とは芝の生育基盤となる土壌全体を指します。また、ここでは床土用に砂と土壌改良材を混ぜた用土のことを便宜的に「床砂」と表現しております。

2.芝を張る場所を整地します

庭全面に張る場合はよいのですが、部分的に張るとなりますと、ソッドの厚さと床砂を盛る高さに合わせて地面を掘り下げる必要があります。掘り下げましたら、丁寧に整地をします(写真5)。この時、「どうせこの上に床砂を敷くのだから・・・」と整地を疎かにしてはいけません。なぜなら、ここでの整地の良し悪しが床土の排水性にも影響してくるからです。床砂自体は透水性が高くても、その水が流れずに溜まっていたのでは意味がないわけです。ですから、ここで、浸透した水がうまく流れ出るよう傾斜を付ける等の工夫をしながら、丁寧に整地しておくことが特に大切です。こうしておけば、後に芝を張る際にあまり勾配を付ける必要もなくなり、見映えの良い芝生が出来上がることにもなります。


写真5:整地は丁寧に行いましょう
3.床砂を敷いて均します

整地が終わりましたら床砂を20cm程の厚さに敷いて行きます。ここでは一応、床砂の厚さを20cmとしましたが、無論、これは絶対的な数値ではありません。元来、地盤の排水が良い場所であれば、床砂の量はもっと少なくても良いでしょうし、これとは逆に排水の悪い所では、もっと厚く床砂を盛った方が良いかも知れません。また、当然のことながら砂を大量に使用すれば購入費も嵩みますし、乾燥時の灌水必要量も多くなってきてしまいます。ですから、ここで示した20cmという数値は、あくまでも一つの目安と考えていただければ結構です。要は、床土の排水性と保水性との兼ね合いをどうするか、なのです。(これについてはFAQのページでもご説明しております)

床砂を敷く時、最初は大まかで結構です。必要な分量の床砂を全て撒きましたら(注:目土用として少量を残しておいて下さい)、均し板やジョレンなどを使って平らに均して行きます(写真6)。この時、床砂が湿っておりますと作業がし難くなります。天気の良い日であればここで一旦休憩し、床砂が乾くのを待ってから作業に入りましょう。

注)ここでご紹介した方法以外にも、既存の土壌をそのまま使用する方法や既存の土に砂や土壌改良材を混ぜて床土とする方法などがあり、特にこの方法でなければならない、ということではありません。ただ、暑さに弱い西洋芝の場合、「夏をどう乗り切るか」が最も重要な目標であり、床土の通気性や排水性はその成否に大きく影響してきます。そのため、ここでは敢えて「砂に改良材を混ぜた新しい床土を20cm入れる」という大掛かりな方法をご紹介した次第です。いずれの方法を採用するにしても、上述した「芝が必要とするだけの水分や養分は保持しつつ、余分な水分は速やかに浸透、排水できる床土」で、なおかつ何年経っても通気性を損なわない(固結しない)床土作りを目標にしていただきたいと思います。


写真6:ここでの均しも丁寧に
整地の仕上げは丁寧に行います。ここでの仕上げの良し悪しが、後に芝生表面の凹凸加減に大きく影響してきます。また、ここでも、わずかで結構ですが、全体に傾斜を付けて下さい。これは芝生の表面排水を確保するためのもので、これにより芝生全体の排水性が一段と高まります。
4.隙間なくソッドを張って行きます

四隅のどこからでも結構ですが、ロ−ル状のソッドを床砂に密着するように押しつけながら、隙間なく広げて行きます(写真7)。端の余った芝は包丁等で切り落とし(写真8)、別の場所に張り付けます。見る間にゴルフ場やサッカ−場のような芝生が出来上がります(写真9)。

当社のソッドの場合、専用の機械によって一定の厚さとなるように切ってはありますが、それでも若干は厚さにバラツキがあるかも知れません。そのような場合は下地となる床砂を加減して、芝生面が平らになるよう微調整して下さい。


写真7:隙間なくソッドを張って行きます

写真8:端は包丁で切り揃えます

写真9:ソッドを張り終えました
5.転圧します
張り終わりましたら、表面の凹凸をなくし、ソッドが床砂に密着するよう転圧を行います。ここではロ−ラ−による転圧を行っておりますが(写真10)、一般のご家庭の場合はブロックやレンガのような平らな面を持つもので叩くか、板を芝の上に敷いてその上に乗るなどして踏み固めると良いでしょう。

写真10:このようなローラーがなくてもご心配なく
6.目土(目砂)を入れます

転圧が終わりましたら、角スコ、均し板等を使って、残しておいた砂を芝生の上に散布し、均して行きます(写真11、12)。砂が乾くのを待ってから、竹箒等で丁寧に擦り込んで下さい(写真13)。

この時の目土は転圧後の微妙な凹凸をなくすことが目的ですので、撒きすぎには注意して下さい。目土の厚さは芝の茎葉部分が隠れない程度がベストです。目土の量が多すぎますと、かえって芝が傷むことになってしまいますのでくれぐれもご注意下さい。


写真11:砂を撒いたら均し板等で均して下さい

写真12:茎葉が隠れない程度にして下さい

写真13:竹箒等で丁寧に擦り込みます
7.散水します

最後の仕上げとして、芝生にタップリと水を撒きます(写真14)。これには張り付けたソッドの乾燥を防ぐだけでなく、目土を落ち着かせる効果もあります。


写真14:最後に散水します

以上で作業は終了です。これであなたのお庭にもゴルフ場やサッカー場のような芝生が完成しました(写真15)。後は、芝がしっかりと根付くのを楽しみに待ちましょう。

施工の時期や気象条件などにもよりますが、芝が十分に根付くまでにおよそ2〜3週間はかかります。その間は芝が非常に乾燥しやすいので、少なくとも1日1〜2回(雨天時は除く)は散水するようにして下さい。


写真15:刈込みをするようになるともっと美しくなります

いかがでしょう?ソッドを使った張り芝であれば、これだけの作業で美しい芝生が作れるのです。「これなら自分にも出来そうだ!」と思われた方は、是非、「あなたにもできる!西洋芝の管理」と「よくいただくご質問(FAQ)」のページについてもお読み下さい。

 

最後に、芝生は作ってからが本当のスタートです。あなたの芝生が緑輝く美しい芝生になるかどうかは、この後のメンテナンス次第になります。当社の「芝生の情報館」では芝生管理に役立つ様々な情報をご提供いたしておりますので、是非ともそれらのページについてもご拝読いただき、これを機に張り芝による芝生作りと西洋芝の管理にチャレンジしていただければ幸いです。

<お断り>
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出版社:家の光協会
定価:1,300円+税
発行日:2016年4月1日

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