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芝生の情報館

あなたにもできる!西洋芝の管理

4.芝生のエアレーション(通気作業)

1)エアレーションの重要性

一見するとほとんど変化がないように見える芝生も、年々、土壌の固結や枯れた茎葉の堆積が進み、徐々にですが老化してゆきます。それを防ぐために有効な手段が「更新作業」であり、その一つが「エアレーション」と呼ばれる作業です。

一般に、エアレーション作業では、芝生に穴を開け、そこに新しい土壌(砂を用いるのが一般的です)を充填します。この時、芝と土を抜き取る方法とただ単に穴を開けるだけの方法とがあり、前者は更新効果は高いものの作業性の点で劣り、後者は作業性に優れるものの効果の点では前者よりもやや劣る、という違いがあります。

このように効果の違いこそありますが、何れの方法でも土壌の通気性や排水性が改善され、同時に新しい茎葉や根の発生が促されて、芝生の若返り(更新)につながることに変わりはありません。こうした作業を定期的に実施することで、わずかずつではありますが、芝生の老化を防ぎ(遅らせて)、より長期にわたって芝生を健全な状態で維持することが可能になるのです。

現在、ゴルフ場等の芝生が見事なまでに美しく維持できるようになったのは、こうした更新作業の重要性がわが国の芝草管理者に広く知られるようになり、合わせて各種の優れた更新用機械が開発され、広く利用されるようになったからでもあるのです。是非とも、一般の芝生愛好家の方々にもこの作業の重要性についてご理解いただき、ご家庭の芝生管理における定期的な作業として実施していただきたいと思います。

2)エアレーションに必要な機具と資材

エアレーションを実施するために必要となる機具と資材は以下の通りです。

  • 足踏み式の簡易穴あけ器具:「ローンスパイク」等の名称で販売されています。(写真19)
  • ホウキ(竹箒など):抜き取った芝の掃除や目土の擦り込みに使用します。芝を傷めない材質のものをお選びください。
  • ちり取り:抜き取った芝の掃除に使用します。
  • 目土用の土壌(砂):土壌の排水性や通気性を改善したい場合には良質の砂(川砂、洗い砂など)を使用します。
  • ショベル、角スコなど:目土の散布に使用します。
  • 散水器具:目土を擦り込んだ後に使用します。

<補足事項>

  • 簡易穴あけ器具には刃が中空で芝を抜き取るタイプのものやスパイク状のもの、根きり用になっているものなどがあります。何れのタイプもそれなりに有効ですが、更新作業の効果としてはやはり、芝を抜き取るタイプが最も優れていると言えるでしょう。
  • 芝を抜き取るタイプのものは刃の部分が中空になっており、芝生に何度か突き刺すことで刃の中に詰まった芝が押し出されるような設計になっています。この時、詰まった芝がスムーズに抜けるかどうかで作業性は大きく違ってきます。
  • 業務用の刃(タイン)を転用した家庭向け製品も市販されているようです。性能は申し分ないはずですので、ご予算に余裕のある方はご検討ください。
  • 目土用の土壌には排水性や通気性の改善を期待できる川砂などの良質な砂をお勧めいたします。
  • 穴あけを行った時が土壌改良や肥料の土中施用のまたとない好機です。床土に何らかの問題がある場合や元肥を入れていなかった場合などは、砂に土壌改良材やリン酸肥料を混ぜて擦り込むと良いでしょう。

3)作業手順

  1. 用意した足踏み式の器具(ローンスパイク等)を芝生に垂直に立て、体重を掛けて芝生に深く突き刺します。(写真20、21)
  2. 上記の作業を繰り返して、芝生全面に穴をあけて行きます。穴の間隔が狭いほど高い効果が得られますが、その分、多くの時間と労力が必要となります。健全な状態にある芝生での定期的作業の場合、5cm程度の間隔で作業すれば十分でしょう。
  3. 芝を抜き取るタイプの穴あけを行った場合、抜き取った芝が芝生上に散乱しますので、それをホウキなどで集めて取り除きます。
  4. 芝生に満遍なく目土(砂など)を散布し、ホウキで芝生に擦り込みます。特に穴については穴が目土で塞がるまで丁寧に擦り込んでください。
  5. 仕上げに散水を行います。開けた穴から土壌深くまで浸透しますので、たっぷりと与えて下さい。目土が不十分だと穴が目立ってきますので、足りない箇所については再度、目土を入れておきます。
  6. 目土を入れ直した場合には再度、散水しておきます。

<補足事項>

  • 排水不良箇所がある場合には、その箇所について集中的に穴あけを行なってください。
  • 散水後に再度目土をする場合、芝生が濡れた状態ですとうまく擦り込めませんので、芝生が乾いてから行うようにしましょう。
  • 作業時期としては寒地型西洋芝の生育盛期となる春(晩春〜初夏)と秋(初秋〜中秋)が適期となります。くれぐれも芝の状態が悪い時や芝の弱る夏期(高温期)には行わないようにしてください。
  • 寒地型西洋芝の生育は春>秋ですので、年に1回だけ穴あけを行うのであれば春期の施工をお勧めします。
写真19.足踏み式の更新器具 写真20.足で踏みつけます 写真21.5cm間隔位が目安です

5.芝生の目土散布(単独で行う場合)

1)目土(めつち)散布の重要性

目土散布は芝生の更新作業の一つであり、エアレーション同様、長期にわたって芝生の健全な生育を維持するために欠くことのできない大切な作業です。是非とも、年間の作業計画に組み込んで定期的に実施するようにしてください。

なお、エアレーション時の目土散布については上記でご説明しましたので、ここでは目土散布を単独で行う場合についてご紹介いたします。

2)目土散布に必要な機具と資材

目土散布を実施するために必要となる機具と資材は以下の通りです。

  • 目土用の土壌(砂):床土と同じものか、より良質な土壌(砂)を使用します
  • ショベル、角スコなど:目土の散布に使用します
  • ホウキ(竹箒など):目土の擦り込みに使用します。芝を傷めない材質のものをお選びください
  • 散水器具:目土を擦り込んだ後に使用します

<補足事項>

  • 目土用の土壌には床土と同じものを用いるのが基本となります。ただし、土を主体とした床土である場合、排水性・通気性の改善や土壌の固結防止のためにも、目土には良質な砂を使用されることをお勧めいたします。
  • 在来の土には雑草の種子が混ざっているため、それを目土として使用しますと雑草発生の原因になることがあります。その点、川砂や洗い砂ですと混入する雑草種子も少なく、これも砂を使用することのメリットの一つと言えます。
  • 園芸店などでよく「芝生の目土」と称する粒状の用土が販売されておりますが、購入に際しては、踏圧に対する耐久性や長期的な安定性、すなわち、どの程度の期間、粒子の形状が維持されるのか、また、粒子が潰れた場合にどのような性質を示すのか(目詰まりの原因にならないか)などに注意して慎重に検討されることをお勧めします。

3)作業手順

  1. 上記の目土散布に必要な資材と道具を用意します。
  2. ショベル等で山になった砂を取り、均一になるように目土を撒きます(写真23、24)。一度に多量の目土を散布しますと後の擦り込み作業が面倒になりますので、できる限り満遍なく、薄く散布します(写真25)。
  3. 芝生全体に散布しましたら、ホウキを使って目土を均一の厚さになるように擦り込んで行きます(写真26)。状況にもよりますが、目土の量(厚さ)は枯れた下葉が隠れる程度を目安とします。
  4. 芝生の凹凸を軽減することも目土の目的の一つですので、地面に凸凹がある場合には凹部にやや厚めの目土を入れます。ただし、くれぐれも凹部の芝が目土で埋もれることのないようにしてください。厚すぎる目土はかえって芝生を傷める結果になります。大きな凹凸については一度に修正しようとせず、何度か作業を繰り返すことで修正するようにします。
  5. 目土の擦り込みが終わりましたら、芝生全面に散水を行います(写真27)。この散水は目土を落ち着かせることが目的なので軽めで十分ですが、潅水を兼ねる場合には、土壌深く浸透するようたっぷりと与えておきましょう。

<補足事項>

  • 作業時期としては寒地型西洋芝の生育盛期となる春(晩春〜初夏)と秋(初秋〜中秋)が適期となります。くれぐれも芝の状態が悪い時や芝の弱る夏期(高温期)には行わないようにしてください。
  • 目土を厚く入れすぎますと茎葉が埋もれて芝の生育に悪影響を及ぼします。1回の目土は少なく、その分、回数多く実施するのがポイントです。
写真22.サラサラした川砂 写真23・24.スコップに取り、投げるように撒くと・・・
写真25.薄く撒けます 写真26.ホウキで擦り込みます 写真27.散水します