HOME >> 482だより >> バックナンバー(2002年3月号)

芝生と共に半世紀 弊社の会長から芝生を愛する皆様へ

芝生の生産・管理・工事に半世紀携わってきた、プロのコラム
 482だより 2002年3月号

昨年の9月号では、当社が運営しております大金ゴルフ倶楽部のベントグリーンに「ペンA-4」という新品種をインターシーディングしたことを話題にいたしました。今回はその続きを少々お話しさせていただきます。

9月号の内容は、大金ゴルフ倶楽部のグリーンには、オープン当初(1990年)より「オールドオーチャード」という栄養繁殖系のベントグラスが使用されていたが、元来、この品種はあまり日本の夏のような暑さには強くないため、夏期のグリーンコンディションの維持にはだいぶ苦労させられており、その改善策として1999年の秋から「ペンA-4」という新品種のインターシーディングを春秋2回ずつ繰り返しているが、果たしてどうなるものか?というものでした。

インターシーディングの開始当初は、在来品種(オールドオーチャード)との競合で新品種が定着できないのではないか、また、もし新品種が定着してもそれが異質な斑模様となり、グリーンの美観を損ねるてしまうのではないか、などいろいろと心配しておりました。しかし、これまで春と秋、計5回の施工によって、新品種もうまく定着してきており、ほぼ期待通りの状況になりつつあります。一応、施工については今春も予定しておりますが、このままの状態でうまく推移すれば、それ以降の播種施工はおそらく必要なくなるものと思われます。もちろん、今後どのような状況の変化がみられるかは未知のことであり、判然としないものがありますが、現在のところ我々の予想以上のスピードで品種の転換が進んでいるように思われますので、ひとまずは成功というところではないでしょうか。

今回の成功の理由としては、一つに、在来種があまり旺盛に分げつする性質でなく、しかも葉密度もあまり高くないタイプであったために、新品種の発芽とその後の育成を当初我々が心配した程には抑制しなかったのだろう、ということです。ですから、今回のケースが、オールドオーチャード以外の品種へのインターシーディングについても当てはまるかどうかは分かりません。その辺のノウハウについては、今後の新たなる試みに期待したいと思っております。

以上、簡単ですが、インターシーディングについての続報でした。なお、この件につきましては、今後も随時、経過をご報告する予定です。

▲上へ戻る