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芝生と共に半世紀 弊社の会長から芝生を愛する皆様へ

芝生の生産・管理・工事に半世紀携わってきた、プロのコラム
 482だより 2004年4月号

3月は乾燥したり強風があったり、寒暖の差が大きかったりとあまり良くないイメージがありますが、今年はまさにその通りになりました。ただ、気温は高めに推移したようで、東京では過去2番目に早い3月18日に桜の開花発表がありました。日本人にとって、桜の開花は殊のほか大切な関心事ですが、この時期は「花冷え」というような言葉もあるようにまだ寒さを引きずっている時期でもあります。

日本ではなぜか4月をスタートとしている事柄が多くあり、新年度や新学期などその一つです。新学期の始まりは満開の桜の中で、というイメージがありますが、このところの地球温暖化傾向によって状況が変わってきているようで、昨今は東京よりも北の地域でないと新学期のスタートと桜の満開が一致しなくなってきているようです。



当社の4月スタートのものとして、今年はサンライズカントリークラブ(茨城県18H)の運営開始がありました。

ゴルフ場の芝草維持管理については、当社も色々なノウハウの積み重ねがあるつもりですが、ゴルフ場自体の運営については、世の中の諸事情により逆風が吹いている中でのスタートということもあり、苦戦が予想されています。ですが、これも今後のこの種のビジネスのための勉強と捉え、プラス思考で努力していきたいと思います。

ゴルフ場はゴルフプレー以外での利用が大変難しいため、ゴルフ場の淘汰という形ではなく、経営者の交代ということで生き残る形が主流になっています。そのため、ゴルフ場の数が減ることがなく、過当競争とも言える状況の中で、苦労しながら運営をしているのが実状です。

したがって、ゴルフ以外でのゴルフ場の利用用途を考えることは、ゴルフ業界全体から見ても大切なことだと思われます。従前からみるとゴルフ場がただ同然のような価値しかなくなっている今、有力企業の利益のほんの一部を当てることでゴルフ場を他の目的として活用する方法があれば、運営の苦しいゴルフ場の活路が開けることになります。こうしたことを有力企業に期待するだけでなく、ゴルフ場側としても積極的に提案していく必要があるのではないかと思います。

とにかく、ゴルフ場の数が減らない限り、過当競争は永久になくならず、お互いに苦しむだけです。この状況から抜け出す方法を当事者であるゴルフ場がもっと真剣に考えるべき時期が来ているのだと思います。

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