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482だより

2004年11月号

11月が霜月と呼ばれるように、ここ那須では11月にもなりますと、しばしば芝生の上に真白い霜が降りることがあります。ただ、このところの暖かさからすると、今年はしばらく放射冷却による強い霜を見ることはないのではないかと予想します。

今年は春先から暖かい傾向が続いており、季節の先取りといった感じです。いつかはその調整が行われるのだろうとは予測しているのですが、まだそうした変化の兆しが見えません。このことは、台風の異常な程の日本への接近や上陸からも言えるように、いかに南海上の気温や水温の高い状態が続いているかを表しているのではないかと思います。

芝草の生育を考えますと、極端な夏の暑さや冬の寒さは困ります。去年が冷夏でしたので、その裏返しとも言える今年の夏の猛暑はある程度予想できたのですが、それにしても、あの暑さの中でのコウライシバやノシバの元気さは見事なものでした。一時、コウライシバに火がつきそうなほど乾燥したこともありましたが、それを上回るほどの元気な生育ぶりでした。特に排水の悪いようなところほど元気なのは皮肉なものです。

一方、暑さを苦手とするベントグラスに極端な悪影響があったかといえば、幸いこれも一時期であって、全般的には影響が少なかったように思います。その理由は、先月号で述べましたように、一つは芝草管理者の技術向上の結果であり、もう一つは梅雨期から雨量が少なめで、乾燥気味であったことだと思われます。

今年のような夏を経験しますと、改めて芝草の乾燥と潅水との関係の重要さを思い知らされます。例えば、ベントグラスのグリーンにおいてベストな潅水方法はどのようなものか?ということになりますと、これが実に難しい問題なのです。

潅水方法を決めるためには、まず適切と思われる潅水量、潅水時刻(朝、昼、夜のいつ潅水するか)、潅水時間(1回当たり何分潅水するか)を判断しなければなりませんが、それにはグリーンの透水・排水の状態、土壌の湿度、芝草の根の深さ、芝草の茎葉密度、グリーンの透水速度(特に極く表面の透水速度)など、密接に関係する要因について正確に把握している必要があります。潅水方法を決定するには、それら全てを考慮した上で慎重に判断されなければなりません。こうした判断を日々、適切に行える能力が芝草管理者には求められると言うことです。

いずれにしても、ベントグラスが夏を越えられるかどうかは、ベントグラスの体力も大きく関係します。芝草管理者としては、来夏がどのような夏であってもうまく乗り越えられるよう、今秋からベントグラスの体力づくりをスタートさせることが大切です。

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